- Quite Like A Cat- +おまけ編

 




   「だあーーーっっ!!!!又負けたぁーーーーーっっ!!!?!」



   ストライクのコクピット内でフラガが今日何回目かの叫び声を上げた。



   「…もう、止めませんか?フラガ少佐…」



   膝を付くストライクの前に立つのは真紅のMS・ジャスティス…勿論、搭乗者はアスランだ。
   の頼みで承知したものの、ここまで来ると流石のアスランもお手上げだった。


   現在までのフラガVSアスラン戦績…8戦7勝1分…当然、アスランが、だが。



   「いやっ…もう一度だっ!!」


   「又ですか…?でもフラガ少佐、俺でこの戦績なのによりにもよってにMS戦申し込んだん
    ですか?」


   「ん?ああ、まぁな。逃げられたけど」



   軽い調子で質問に応じるフラガにアスランは頭痛を覚えた。



   「フラガ少佐…一応言っておきますけど、彼女とのMS戦は俺の比でもないですよ?」



   それはキラにでも言える事で。

   失礼だが、今のフラガの腕ではキラは勿論の事、自分やにでさえ勝てた試しがないと言うのであれば
   もう問題外の話だ。
   彼女はある意味、MS戦では今のこの中立軍の中では最強の位置に居ると言っても過言ではない。
   なのに、そんなに無謀にもMS戦を挑むなど…。


   しかし、フラガはにっと笑って見せる。



   「分からないぞー?何てったって俺は『不可能を可能にする男』だからなっ!!」



   ……その自信は一体どこから湧いてくるんだ?



   よっしゃあ!もう一戦っ!!とやる気満々なフラガにアスランは深く溜息を吐いたのだった。

 



***

 



   エターナル内の簡易食堂は今やかなり、否、完全に現在違う空間となっていた。

   ラクスの手によってB.C時代の19世紀英国調のカフェテリアと化したその中央のテーブルで
   優雅に紅茶でティータイムと洒落込んでいる二人。
   場をセッティングしたラクスと、その想い人であるである。



   「はぁ…折角もお誘いしようと思ってましたのに…」



   心底残念そうに呟くラクスにはティーカップをソーサに戻しつつ答える。



   「でも、少しは休息を取らないと彼女だってもたないよ」



   しれっとしてそう答えるの涼しげな顔を見て、ラクスはにっこりと微笑む。



   「ですわね…。今回の件、やはりの入れ知恵でしたのですね?」


   「入れ知恵なんて、そんな大したものじゃないけどね」



   同じ様に微笑を浮かべるにラクスはそれよりも深い笑みで続けた。



   「…愛しておりますわ」


   「うん…俺も君を愛してる。世界中の誰よりも」



   二人だけの世界を創りつつある双方であったが、しかし――



   「けれど、の事であれば話は別ですわ」


   「それは…宣戦布告と取っても良いのかな?」



   甘い空気は何処へやら。

   一瞬でその場の空気はドス黒い闇の空間へと変化を遂げる。
   唯一残っていたスペースで休憩していた一般兵やら、整備班の人間も顔を青くしてそそくさと
   逃げて行く。



   「ふふっ…楽しみですわね」




   暗黒のオーラを背負ったまま、それを感じさせない爽やかさでラクスは再びにこりと
   微笑んだのだった。





                                                    …End.?

 

 

 

   ■あとがき□

   “絶対領域”のツバサ様に捧げた相互記念キラ夢です!
   つか、短編で甘い話で!―との話だったのですが…甘いですか?(おい)
   それもこれ明らかに短編じゃないですし…(汗)
   うがーっ!!相模には短編が書けないんだろうかーみたいな?(誰に聞いてるんだ;)
   まだまだ精進が足らんです…(泣)こんなものでも宜しかったでしょうか…?
   感想とか頂けましたら嬉しいですw では!

 

 

 

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