『アンタにどんな事情があるとかそんなのは知った事じゃない…でも、アンタの勝手な事情でかなでにその憤りを
ぶつけて傷付けるんだったら――私がアンタを許さない』
パシンっと言った渇いた音と共に、己の右頬に痛みが走る。
…思えばアレが、あの女との始まりだった。
憎くて憎くて、狂おしい程
午前の部、自分の演奏まであと少しと言った所だった。
自らのヴァイオリンをぎゅっと抱き締めたまま、泣き続ける少女が居た。
自分が見る限り、先程からずっと。
少女は自分より少し年下と言った所か。
一向に泣き止む気配がないのに小さく溜息を吐くと少女へと近付く――この辺り放って置けなかったのは
自分にも同じ年頃の大事な妹が居たからだろうか?
実質、自分の妹の方がこの少女よりは未だ年下だろうが。
「一体さっきから何を泣いているんだ?」
己の言葉にばっと顔を上げた少女は、しゃくり上げながらヴァイオリンを抱く腕にぎゅっと力を込める。
「わ、私の…ヴァイオリンの、弦が…」
途切れ途切れの言葉に見てみれば、何て事はない。
少女のヴァイオリンの弦が一本、見事に切れてしまっていた。
予備は?と問うと丁度切らしてしまって持ってきてないと言う。
その答えに思わず呆れた風に再度溜息を吐くと、貸してみろと少女からヴァイオリンを受け取る。
ポケットの中から昔、知人からお守りだと貰い受けた金色の弦を取り出すと、慣れた手付きで切れた弦と張り替え、
ヴァイオリンを少女へと返した。
「ほら…もう直った。泣く程の事じゃない」
「あ、…ありがとう!!」
先程まで泣いていたかと思えば、直ぐに笑顔になると礼を言い遠くから此方に歩いて来る少女――これも自分と同じ位の
年頃だった――の姿を見ると顔を輝かせてヴァイオリンを抱き締めたまま走り去って行った。
その少女が、まさか自らの今後の人生を狂わす一端を担うとは、その時は思いもしなかった。
午前の部のラストの演奏者は少女――小日向かなでだった。
それまでは先ず優位に立っていただろう自分を超える演奏を、彼女はして見せたのだ。
まるで、暖かく優しい…全てを包み込むかの様な柔らかな光に満ち溢れた音。
その旋律は会場の聴衆の心に感動を呼び起こし、大会予選での大番狂わせを引き起こした。
確かにこの時、自分は心の何処かで小日向の演奏の素晴らしさを認めていた。
そしてまた心の奥底で、自らの敗北すら予想していたのかも知れない。
だが、自分にはどうしても退けない事情があった。
あの男を認めさせるには、どうあっても優勝するしかない…。
しかし、それ以上に。
小日向の音楽に自らの出来得る最高の演奏で相対してみたかった。
――そんな微かな想いも、全て踏み躙られるとは思いもせずに。
本選…ファイナル直前にあの男は既に自分の敗北を目の前に叩き付けた。
最早自分には勝ちは有り得ない、と。
その事実は何よりも自分自身が分かっている事ではないか、と。
そう宣う男に、まだやってみなくては分からないと必死に喰らい付いた。
それは本音だった。
確かに、小日向の演奏は素晴らしかった。
だが、だからこそ自分自身、最高だと思える演奏でぶつかり合ってみたかったのだ。
その上で自らの音楽との決着をつけたかった。
だからと言うのに…
自分と男とのやり取りに偶然居合わせた小日向が言い出した事に、自分の中の何かが音を立てて崩れた気がした。
「…だから、勝ちを譲ると?お前はそう言いたいのか…?」
余りの事に愕然とする。
演奏前に張り替えた弦のお礼がしたいから、と…自分が負けても良い、と…よりにも寄ってそう言ったのだ小日向は。
唯、純粋にそれは小日向が見るからに困り切った様の自らを助けたいと思い、自然と出た偶然の産物だったのだろう。
周囲から見ても、その言葉は小日向の優しさに満ち溢れた物に取れたに違いない。
だが、言われた自分にとって…それは優しさ等ではなく、残酷に過ぎた屈辱でしかなかった。
心の何処かでは分かってはいたのだ。
悪気はなかったのだ、と。
そしてその言葉ですら小日向の優しさから向けられた物だと言う事も…。
しかしこの瞬間、この場面で放たれたその言葉はこの時の自分にとって、他の何よりも己の音楽に対する矜持をぐちゃぐちゃに
穢されたに等しかった。
…ふざけるな、と思った。
自分の演奏は同じステージにも値しない…その程度でしかないのか、と。
行き場のない憤りと怒りと、己への嘲りと、あらゆる負の感情が綯い交ぜになって心内で荒れ狂い、そしてその果てにぽかりと
黒い空虚が大きく口を開けた気がした。
そこから生まれたのは、強い強い名も知れぬ衝動と、そして――
「俺は絶対に貴様を許さない…」
暗く淀んだ、憎悪、だった。
「憎んで憎んで…一生涯を掛けて、貴様を憎み続けてやるっ…」
そう言い放ったと同時、強い痛みが唐突に頬を張った。
***
――…我慢がならなかったんだ、どうしても。
午前の部、共に出ていたコンクールの予選が終わった所で、既に舞台袖からは出ているだろうかなでを迎えに
客席を立つ。
今から行けば丁度控え室に向かう通路辺りで捕まえられるだろう。
予選の感触からすると自分の演奏としては、可もなく不可もなく。
まぁまぁ上々と言った所で、今現在の自分の演奏レベルがどの辺なのか知る事を目的の一つとしていただけに
大方の目標は達する事が出来たと見ても良いと思う。
恐らく、予選通過のボーダーぎりぎり上の一線。
上出来だろう。
…こんな事を言ったら昔からの付き合いのある幼馴染の兄の方にもっと真剣にやれ、とか怒られそうだけれど。
そんな私とは逆に、かなでの演奏は――演奏順は自分の方が始めの方だったのでその後の参加者の演奏はお陰で
ゆっくりと客席で聴く事が出来たのだ――従妹と言う贔屓目を除いたとしても、誰もが認める様な素晴らしい出来だった。
きらきらしていて暖かな、まるで木漏れ日の様に優しい音色。
全てを包み込むかの如くのそれは、かなで特有のものだったが今日のは更にその輝きを増していた様に思える。
…演奏前にでも何かあったんだろうか?
自分がヴァイオリンを弾く姿を見て目をキラキラとさせながら、「自分もやってみたい!」と初めて楽器を手にしたのは
ほんの1、2年前。
それを考えてみればその上達や潜在能力には目を瞠る所だが、ずっと一緒だったとしては嬉しいと同時に何だか、
夢中になる物を見つけて先へと歩き出した可愛い従妹に置いて行かれた気もして、少し寂しかったり…。
とは言え、今日のかなでの出来を見ればファイナルは確実だろう。
そんな事をつらつらと考えていると、やはり舞台から控え室まで向かう通路の途中で目的の小さな後ろ姿を見つけた。
かなで、とその名前を呼ぼうとして。
だが彼女の前に立っている二人の存在に思わず足を止める。
一人は背の高い、白いスーツを着たロシア系の外国人の男性――何処かで見た気がするのは気のせいだろうか?――と、
それに詰め寄るかの様に何かを必死に訴えているのは、自分とほぼ同年代っぽい少年だった。
ここからではまだ話している内容は分からないが、どこかおろおろとした風なかなでを見れば、恐らく優しい性格の
従妹の事だ。
この二人の会話に丁度行き当たってしまい、一度関わりを持った以上放っておくにも放っておけずに、だからと言って
何が出来る訳でもないが、唯その場を離れる事すら出来なくなってしまったと言った所だろう。
やれやれと小さく苦笑して、かなでを連れ戻そうと再び足を動かし始めたの耳に、近付くにつれて何処か不穏な単語が
飛び込んできた。
ロシア系の男性の方に決定的な何かを言われたのか、不意に唇をぐっと引き結んで黙り込んだ少年にかなでが慌てた様に
言ったのだ。
「“優勝”だったらあなたにあげる」、と。
余りにも突拍子のないそれに思わず思考が停止する。
そんなの状態などお構いなしに、当然まだ自分の存在にすら気付いていないかなでは、「…何故?」と驚きに目を瞠る
少年に対してそのまま続けた。
「だって、さっきくれた弦のお礼がしたいから」、と――
…恐らく、かなでには一片の悪意もない。
唯純粋に、偽りなく、先程のかなでが言った理由から考えれば、本心からその少年を助けたいが為だけに出た言葉だったの
だろう。
暫く固まったその空間を突き破ったのは、他でもない、当のその少年自身だった――底冷えのする、何処までも昏い…
笑い声と共に。
「…野良犬に餌を投げ与える様にして、それで満足か?」
無意識に、は再度足を止めた。
少年が言葉を口にする毎に、徐々に心が冷えて行く。
感情が凍り、顔から表情が無くなっていくのが自分でも分かった。
…少年が抱える事情など知らない。
敢えてここで、知ろうとも思わない。
にとっては赤の他人の事であって、正直言ってしまえばどうだって良い。
だが、かなでに関する事であれば話は別だった。
一頻り狂った様に笑い、低い声で少年が続ける。
向けられる深い憎悪の言葉にかなでが微かに震えているのが分かる。
少年の言葉の一つ一つが、かなでの心を深く傷付けているのは最早見るまでもなく明らかだった。
確かに、かなでの言葉が少年のプライドを傷付け砕く事になったのは偶然であるにしても事実だろう。
少年が怒りを覚えるのは仕方ないとは思う。
だが、だからと言ってかなでにその鉾先を向けるのはどうなのだろうか?
しかもその怒りを憎悪へと変え、かなでの感情を、心を傷つける事が許されるとでも…?
それだけでもいざ知らず、その上少年はにとって最大のタブーを口にした。
「俺は貴様を絶対に許さない…憎んで憎んで…一生涯を掛けて、貴様を憎み続けてやるっ…」
――当時のにとって、かなでの存在はある意味、自分の“全て”だった。
そのかなでに向けられて放たれたその言葉は、大切な従妹への完全なる“否定”と同意――
の心の中の、許容の鎖を呆気なく引き千切るには十分な言葉だった。
その後は、自分の心が命じるまま、望むままに。
怒りの沸点が上がるのに対し感情は何処までも冷えて、多分、顔はほぼ無表情に近かっただろう。
ふらり、としかし迷いなくかなでをその背に守る様に少年の前に立つと、そのまま利き手を大きく振り抜く。
自分が一ヴァイオリニストとして指を大切にしなければならない事などとっくに頭からは消えていた。
パシンっと大きな音と共に少年の頬を張る。
驚きの後に再び怒りと、従妹に向けていたのと同じ位に強い憎悪を滲ませ、鋭く自分を見る少年の瞳の色が
何故か強く印象に残った。
*
―――そのコンクールで、ファイナリストに選ばれたのは5人。
内、午前の部でほぼ優勝であろうと目されていた小日向かなでの演奏は、その音の輝きを失っていた。
代わりに頂点を手にしたのは、全てを凍て付かせるかの如く絶対零度を思わせる程冷たいが完璧な演奏を
してみせた冥加玲二だった。
だが、それは圧倒的なまでに出た結果ではなかった。
予選では可もなく不可もなくな演奏で、ギリギリのラインでファイナリストに選ばれた。
午前の部とでは別人の様な演奏スタイルで追い上げ、冥加とは僅差での第二位。
曲目は、ロベルト・シューマン作曲の“トロイメライ”。
聴く者全てを安らかなる眠りへ…優しく穏やかなる子守唄。
しかし、の奏でる曲調は根源が違った。
あらゆる聴衆の心を捕えたその音は、何処までも静かで。
一度聴いてしまえば逃れる事は叶わず…荊の棘の如くに絡みつき、まるで昏く閉ざされた森の奥で――
空や大地と同じ彩をした雪が唯、音もなく自らの上へと舞い落ち降り積もる…。
全てを、深い眠りの淵へと導くかの様な…だが、痛い位に切なく、例えようのない強い想いを心に刻み込む。
それがの奏でる真実の“音”だった―――
***
梅雨が明け、晴れ間の戻ったある土曜日の夕暮れ時。
真夏と言うには早過ぎて、初夏と言うには吹く風に若干の熱気が帯びるそんな季節。
高校も3年となって一学期の中間考査が終わり、一息着いた次の週末だった。
毎年、自分が所属しているオケ部は部内選抜を行い夏休みにある全国音楽コンクールに出場するのが恒例で。
今年も例に漏れず参加する事に決まった為、参加登録の為に選抜準備に忙しい部長と、もう一人の副部長の代わりに
昼までの授業が終わった後市内にある国際ホールへと出向いたその帰り道。
まだ最終下校時間を回ってはいない。
このまま真っ直ぐに帰れば、今日の練習が終わる前にはギリギリ学校へと帰り着くだろう。
だが、何となくそんな気にはなれなくて、降りる筈の学校近くの一つ前の停留所が見えた所で降車ボタンを押すと
そのままバスから降り立った。
あのままバスで乗っていれば10分足らずの所だが、徒歩で行けば30分位の距離を何とはなしに歩く。
学校に着く頃には部活も終わっているだろうし部長兼幼馴染への報告は、どうせ同じ寮に籍を置いているのだ。
夕食の時にでも改めて伝える事にすれば良い…まぁ、小言の二つや三つや四つ増えるかもしれないが…主に自分と同じく
副部長の彼の同級生の方からかも、だが。
空や街を赤く染めて行く夕暮れの中、綺麗に補整された車道脇の歩道を行く。
バスを降りたのに…特に理由なんてない。
唯、何となく、だ。
昔から自分にはどうにも気分によるムラがある様で、今回も単なる気紛れに過ぎない。
だから…この道程(ルート)を選んだのも、単なる偶然でしかなく決して意図した訳ではない。
意図した訳ではないと、言うのに――
「…貴様は……」
「………何で会っちゃうかなぁ…?」
前方から歩いて来る長身の姿を見、軽く驚いた様に目を見開く赤い髪に白い長ランの――一見その様は同年代の高校生とは
到底見えないけれど――冥加玲二の姿に対してはこっそりと毒づき嘆息する。
「…それは此方の台詞だ。貴様こそ何故こんな所に居る?」
…こっそり言った筈なのに全部筒抜けだったらしい。
どれだけ地獄耳なんだと、今度は心の内だけで嘆息しつつは返した。
「別に?理由なんかないわよ。唯単に用事を済ませた帰りなだけで…」
「ほう…?それはここが天音の学区内と知っていて当然の上での言葉だろうな?」
……ん?
冥加の問いに思わず固まり、さり気なく辺りを見渡す。
言われてみれば少し先にある歩道橋の向こう側に見た事のある、洗練されたビルの様な学校の校舎が見える。
天音学園の本校舎だ。
…そう言えば、天音は星奏から凡そバス一つ分の距離にあるんだったか…。
どうやら何も考えてない内に天音の近くまで来てしまっていたらしい。
幾ら何となく、とか言った所で何故こんな所に足を向けていたのか…だとすれば、冥加玲二に会う確率だって偶然としても
自然と上がると言うものだ。
わざわざ自分から天敵とも互いに思っている相手に無意識にでも会うだろう範囲に入ってどうしろと言うのか…。
それもあんな昔の夢を見た日に限って――
内心の動揺を押し隠し、は上手く話題を逸らそうとする。
「…そんな事より、貴方こそこんな所をうろちょろしてるなんて余程暇なのね?」
それとも天音はもうコンクール自体捨ててるって事かしら?
そんな皮肉を込めて無理矢理笑って見せるものの、しかし付け焼刃なの言葉に冥加は口端に笑みを浮かべた。
「ふん…否定をしない所を見れば、図星と言った所か。こんな女が我が宿敵とは聞いて呆れる」
「ぐっ!?……別に好き好んでアンタなんかの宿敵になどなった覚えはないんだけどね!」
やはり、話題転換は相当無理矢理だった様で。
さらりと突かれた事実にそれでも苦しいながら言い返す。
完全に冥加ペースだ…勝ち誇ったその笑みがかなり恨めしい…。
心内で微妙な敗北感に浸るだったが不意に冥加がその表情を変えた。
「それはさて置き…貴様もコンクールの参加登録の帰りなのだろう?…当然、ソロでも参加登録を済ませているのだろうな?」
「…“も”、って事は貴方も、ってとこかしら?」
「無論だ。今年こそ、貴様との決着をつける…去年の様に愚かにも敵前逃亡を許すつもりはない」
「去年はどうしようもない理由があったからよ…今年は違う」
話を続ける内にの瞳に昏い影が宿る。
その表情に冥加はくっと小さく喉を鳴らす。
「そうある事を願おう。貴様との決着の場…ファイナルでしかあり得ない事を忘れるな」
「…上等だわ」
短く、それだけ。
鋭く冥加をその強い光と影を含めた視線で射抜くと、不敵な笑みを浮かべ小さく言い残し、はそれ以上何を言う事もなく
再びそこから歩き出す。
自らの横を通り過ぎ、決して此方を振り返ろうとせぬまま立ち去る彼女の後ろ姿を暫しの間だけ見詰め。
そして冥加も視線を外すととは逆の方向へと向かって歩き出した。
…これで良い。
数年前から始まった自分ととの関係は至って単純明快な物だった。
己の憎悪の根源となった小日向かなでとは違いながら、同じ様でいて更に深い憎悪を向ける対象。
小日向の従姉であり、癪ではあるが自らが認める数少ない一ヴァイオリニストであり…倒すべき宿敵。
――自分の、曲げられぬ矜持の為に。
とは言え、既にその顛末からは数年が立ち、憎悪であった筈の感情が本当にそうなのかが偶に曖昧になる時がある。
当時、彼女にも譲れない物があったのだろう。
にとって、小日向は俺にとっての栞と同じ存在…それを思えば彼女の怒りが理解出来なくもない。
だがそれでも…互いが互いに、全力をもって打ち倒すべき相手には違いはないのだ。
ならば、この今の距離感が自分達にとって一番妥当なのだろう。
例えこの感情が互いに当時抱いていた憎悪とはまた違う物へと変化していようとなかろうと…。
***
――憎くて憎くて狂おしい程、互いを唯、憎悪する。
だがこの憎しみの、逃れられぬ執着の、本当の意味を理解した時…
変化したその感情故に、どの道を選ぶのかは…今はまだ、誰も知る由もない――
...fin?
■post script.■
…初コルダ3夢!初・冥加夢です!!相も変わらずgdgdで…(汗)
冥加相手の主人公だとやっぱり同年代で、更に対等に言い合う事の出来て、プラスツンデレだと尚良いです!(←)
取り敢えず、未だ夏が始まる寸前のお話。何時も長々とすいません;;拍手、有難う御座いましたvv